新聞の読み方 | 日記
2013.04.04(Thu):憲法・法律問題
昨日、あるお昼の番組を見ていたのだが、そこでは、
先日、全国の高裁で出された 一連の”一票の格差”判決について、
やさしく解説されていた。

私は、当初、その番組を何気なく見ていただけだった。

が、その番組にレギュラー出演していた弁護士が、
”違憲状態”判決と ”違憲”判決と ”無効”判決との違いについて説明していたのだが、
その説明が、どうもおぼつかないというか、にわか勉強風に聞こえた。


そこで、私は、この弁護士の解説が気になり始めた。

まず、その弁護士は、
2011年の最高裁の違憲状態判決が出てからOOO日間、
国会は、最高裁判決を無視し、何もせず放置してきたと、
お怒りの口調で国会を非難していた。

そもそも、
国会が放置していた期間をわざわざ下一桁まで口に出していたことからして、
にわか勉強した跡がうかがえる。

それはともかく、
国会は最高裁判決を気にしていたからこそ、
”0増5減”の法案を解散直前に慌てて可決したのである。
何も、最高裁判決を無視し放置していたわけではない。
だからこそ、東京高裁は、無効判決までは出さなかった。

ただ、この弁護士は、そこは承知しながら、
こうした国会の姿勢というか、事実上の話として、
さっきのような言い方をあえてしたのかなと
善意に解釈しておいた。

が、ゲスト出演していたデーモン小暮閣下が鋭い質問。
”2.43倍という格差は、高知3区と千葉4区との問題なのに、
 どうして無効判決が出た広島や岡山の選挙区が関係あるの?”

 さ~、その弁護士は、
 1976年の最高裁大法廷判決、つまり
 ”定数配分は、相互に有機的に関連しているから、
  不可分一体的に全体として違憲の瑕疵を帯びる”
 という判決を知っているのか…?

案の定、ご存知ないらしい。
さすがに、広島や岡山の選挙区の格差が二倍未満ということまでは
勉強していたみたいだが、
1976年の最高裁判決を紹介するどころか、
デーモン小暮閣下の質問を繰り返すような
そんな回答をするのが精一杯な感じだった。

その後も、
国会は、格差が、参議院なら6倍未満、衆議院なら3倍未満
そこまでなら大丈夫とたかをくくっていた
という旨の発言をしていた。

しかし、国会が勝手にそうした判断をしていたわけではない。
そもそも最高裁が、そこまでなら合憲という判決を繰り返していたからだ。

なのに、2011年に、最高裁のほうが、
時流に乗ってか、一人別枠方式という特殊性からか、
急に合憲のハードルを上げたのである。
だからこそ、そこを考慮して、
”違憲”ではなく、”違憲状態”判決を出したのである。
(以上、3/27付のブログご参照。)

その一人別枠方式だが、
各都道府県に最低一人は定数を確保するということなんだけど、
2011年の最高裁判決で、
衆議院選挙ではそれはあくまで過渡的な措置なんだから、もはや採るべきではない
といったことが示された。

ただ、参議院選挙のほうは、
最高裁も、別の昔の判決ではあるが、
都道府県代表を選出する性質がある旨を認めている。

しかし、その弁護士はそこもご存知ないらしく、
わざわざ憲法43条の ”全国民の代表”という文言を出してきて、
参議院選挙でも都道府県代表を認めるべきではない
みたいなことをおっしゃっていた。

  あの~、憲法47条が、
  その全国民の代表の決め方は国会に裁量権があるといっていて、
  (もちろん、憲法が認める範囲内ではあるが)
  しかも、参議院選挙については、今のところ最高裁も
  都道府県代表という要素を認めているんですけど…

最高裁で無効判決が出たらどうなるのか?
という質問に対しても、
国会を通った法律や予算のことについての言及はまるでなく、
最高裁判決による、
といった素人でもできるコメントをしていた。


私は、あまり人の悪口を言いたくはない。
しかし、問題は、
その番組の観覧者が、しきりにその弁護士の説明にうなずいていたこと。
全国の視聴者も同じ反応のはず。

”弁護士”という専門家の肩書を持つ以上、
正確な解説を是非していただきたい。

もしかしたら、私が今まで述べたようなことはすべて承知の上で、
世論に乗っかって、単に国会を悪者扱いにしたくて、
あえて誤解を招くような言い方をしたのかもしれない。
(口調から、そうは感じれらなかったが)
しかし、それは、それで問題である。


別の弁護士に、やたらに大声を張り上げ、
俳優希望といってはばからない
見るからに痛々しいタレントもいる。

もちろん、どんな考え方をしようが、それはご本人の自由ではある。
しかし、俳優を本業としておられる方々や、
本来の弁護士先生にも失礼に見えるのは、私だけか…
本来の弁護士先生なら、テレビに出演している余裕はないはず。


ただ、弁護士大量の時代、
弁護士にとっても、タレントは生きる術の一つとなったのか…


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