2013.11.21(Thu):憲法・法律問題
昨日、最高裁判所の大法廷で、
昨年末の衆院選での一票の格差(2.43倍)が
投票価値の平等(憲法14条)に違反するかどうかについて、
“違憲状態である”という旨の判決がなされた。

そもそも“違憲状態”と“違憲”とは、
どこがどう違うかというと、
本当は、投票価値の平等(14条)に反するんだけど、
国会も、一気には見直せないだろうから、
一定の間猶予が与えられているわけで、
まだ、その猶予期間内なら“違憲状態”
その猶予期間を過ぎたら“違憲”ということである。

平成21年の衆院選も“違憲状態”だったと
別の最高裁判決が平成23年に出てたんだけど、
それから1年9か月もの間、
国会が具体的な見直しもしないうちに、
昨年末、解散総選挙やっちゃったけど、
それって、猶予期間を過ぎちゃってるから“違憲”じゃね、
というのが今回の裁判の争点だった。

そして、昨日の判決では、
そもそも猶予期間(判決では『合理的期間』という。)というのは、
1年9か月といった期間の長さだけではなく、
いろいろな事情もあわせて
総合的に考慮しなければならないとされていた。

そして、昨年の衆院解散前に0増5減の法案を通すなど、
国会も一応努力しているみたいだから、
まだ、合理的期間を過ぎたとはいえないとしたのである。


そもそも、議員定数とか選挙の区割りを決めるのは、
国会であって、裁判所ではない。
でも、そうした裁量が国会にあっても、
さすがに最高法規である憲法に反することはできない。

そこで、憲法に違反しているかどうか
そこをチェックするのが裁判所である。

昨日の最高裁判決は、
こうした三権分立というのをきちんと尊重している
と感じた。

マスコミだと、
国会が判決に従わないのは三権分立に反する
といった論調のほうが強いが、
昨日の最高裁の判決は、
裁判所が国会の裁量に軽々しく口をはさんではいけない、
といった逆の調子から、
三権分立の重要性をいっていたような気がする。

さすがは、酸いも甘いも知り尽くしている最高裁判事。
単に目立ちたいだけの高裁判事とは一味違う。

また、先ほど述べた平成23年判決より前は、
最高裁も、格差が3倍未満なら合憲としていたのを、
平成23年になって、急に
『2倍未満でなければ“違憲状態”』
としたものだから、
『合理的期間』というのを大目に見てやったのかもしれない。

ちなみに、なぜ2倍がボーダーラインかというと、
一人一票であって、二票はアカンやろ、
ということからきている。
だから、学説ではずっと前から2倍未満でなければ
平等原則に反するといわれていた。

じゃー、1倍にすべきじゃやないか
とも思われるかもしれないが、
どこの区域であっても、人口は常に変わるし、
選挙の区割りも、行政区画とかあって、
定規で線を引くようにはいかないだろうから、
1倍にすることも現実的ではないといわれている。
(昨晩のあるテレビ番組では、
 そんなことも知らない(ふりをしている?)
 某大学教授が偉そうにコメントしていた。)

ところで、昨日の最高裁は、
0増5減は、あくまで見直し過程といっている。
だから、国会もこのまま何もしなければ、
次は、“違憲”判決が出るだろう。

それでも、国会が何もしなければ、
その次は、選挙無効判決が出るだろう。

そうしたら、消費税増税もなかったことになる?


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