新聞の読み方 | 日記
2013.02.05(Tue):経済・税金問題
生活費が高い都市ランキング、東京1位・大阪2位


イギリスの経済誌エコノミストの調査部門
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが、
2月4日に発表した生活費の高い都市ランキングだ。

これは、世界の140都市について、食料や衣料、家賃など
160項目以上の価格を調べた結果らしい。
もちろん、日本の消費税に当たる付加価値税も含まれた価格である。

しかも、1992年以来、東京が1位以外だったのは6回のみ。

デフレ、デフレといわれ、インフレ目標2%とまで設定されているだけに、
意外な調査結果ではある。


EUでは付加価値税率が15%~25%となっているのに比べ、
日本の消費税率は5%となっているので引上げの余地は大いにある、
とよくいわれている。

しかし、これは物価を考慮しない乱暴な議論といえよう。
消費税とは最終的に消費者が負担することを予定した税であるから、
消費者の実際の負担額も考慮すべきであろう。

5%の消費税込みのわが国の物価が
15%~25%の付加価値税込みのEU各国の物価より高いという結果からすると、
日本の消費税率が例えばEU各国と同様15%~25%にでもなったら、
消費税込みの物価はとんでもないことになりそうである。


もっとも、以上のことを証明する客観的な資料はない。
しかし、従来の自民党政権下における政府税制調査会では
表面的な付加価値税(消費税)率の国際比較を示す資料しか提出されていなかった。
が、民主党政権下の税制調査会では、
付加価値税収の規模(対国民所得比又は対総税収比)の国際比較を示す資料も
提出されるようになった。

そこで、これらの資料を基に、
表面税率の国際比較と付加価値税収の規模の国際比較との差異をみてみる。
なお「総税収」とは、国税と地方税との合計で、
標準税率は2012年1月現在、
対国民所得比は、スウェーデンを除き、2009年(度)、
その他は、2007年(度)の数値である。

  
       標準税率  比率  対国民所得比  比率  総税収構成比  比率
日 本    5%      1     2.6%       1    14%       1
イギリス   20%     4     5.7%      2.2    22%      1.6
ドイツ     19%     3.8    7.4%      2.8    31%      2.2
フランス   19.6%    3.9     7.1%      2.7    26%      1.9
スウェーデン 25%    5    12.3%      3.6    26%      1.9


もっとも、この比較でも、企業利益に占める報酬額の割合や配当性向
(国民所得のうち企業ではなく個人に分配される比率(社内留保の程度))および
消費性向(個人に分配されたもののうち資産形成ではなく消費にまわる比率)の違い、
さらには軽減税率の有無などによっても数値が左右される。
総税収についても、法人税収など個人が負担しない税収が含まれていることには
注意が必要である。

ただ、少なくとも、表面税率の差異に比べれば、
対国民所得比の付加価値税収の規模の違いは相対的に小さくなっている。
対税収構成比でみてみると、さらにその差異は小さくなっている 。

いずれにせよ、日本の実質的な消費税負担は、
5%という数値以上のものであることは確かなようである。
軽減税率を設けないのであれば、EU諸国並みの消費税率というのは、
対国民所得比で11%~18%、対税収構成比で8%~11%となる。

したがって、今後、消費税率は、
来年4月から8%、再来年10月から10%に引き上げられることが予定されているが、
これで、対税収構成比でみれば、EU諸国並みになるといえる。

消費税率の引上げ幅を議論する際には、
表面的な税率の国際比較に終始することなく、
物価なども折り込んだ実際の負担率の比較をすることが肝要である。



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