おもろい話やで | 日記
当時の大蔵省主税局調査課での私の仕事は、
一言でいうと、外国の税の仕組みの調査。

日本に新しい税の制度を採り入れようとする場合、
外国での税制はどうなっているのか、ということを調査すること。
だから、同じ主税局内の他課からの調査依頼が基本だったが、
時には、外部の有識者などからの問い合わせもあった。

ある日、電話で、ある大学の教授から、
諸外国の付加価値税の税率を問われた。
(日本の消費税に当たるものなので、
以後、あえて ”消費税”といいます。)

  学者なら、そんなことくらい自分で調べろよな、

と、思いつつも税率を伝える。

すると、その日の夜のニュース番組に、その教授が出演。
あたかも自分が調べたように、立派なフリップで
諸外国の消費税の税率を紹介していた。


他には、政府税制調査会などに提出される資料づくり。
もちろん、ゼロから作成することもあるが、
既に作成したものを最新の情報に更新するだけのことも多かった。
ただ、公表されたら、先ほどの教授ではないが、
いろいろなところで使用されることが多いので、
慎重を期す必要がある。

税制調査会の資料ではなかったが、あるとき、
諸外国の消費税の資料について、
最新のものになっているか、チェックをする必要があった。
そこには、諸外国の標準税率だけではなく、軽減税率も載っていた。

そして、スイスのところに軽減税率が書いてなかったので、
軽減税率が載っていないことを指摘すると、
私の直接の上司ではないところから怒られた。

スイスの消費税率は、今も8%と、一桁で、
軽減税率は、もちろん、それより低いのだが、
標準税率が一桁でも軽減税率が存在する国があるということを
公表してはならないということであった。

つまり、そんなことを公表すると、
日本の消費税率は一桁だから軽減税率を導入しない、
そうした理由付けが説得力をもたなくなるから、
ということであった。

当時もネットが普及し始めてはいたが、
情報化社会の現在、
役所が隠したところでどにもならないためか、
現在は、スイスの消費税にも軽減税率があることは公表されている。


他に、国会答弁の案をつくるということもしていた。

役所の部屋では、
国会の委員会での様子を中継した映像が流れている。
ある日、私が答弁案を作成した部分の質疑が淡々と行われていた。
が、質問と答弁がかみ合っていない場面が。

調査課の部屋が、一瞬、静かにざわつく。
課長が、お前何を書いたんだ、という表情で私のほうを睨みつける。

「質問がとんだので、答弁の読むところが違っちゃったんです。」

『そうか。』

その後、すぐに部屋の様子は元に戻り、
委員会においては、
何ごともなかったかのように質疑の応酬が繰り広げられていた。


国会は、立法府とはいわれているが、
成立する法案の大部分が内閣が提出したものであるから、
実質的には通法府といえる。
法案を通すのか通さないのか、いつ通すのか、ということについて、
与野党の重鎮の先生方が真顔で話会う。

呵呵大笑

立法できないのであれば、せめて、
国会で大所高所の議論を自分のことばでしてもらいたい。
そして、決まったことを政策として実行してもらいたい。

国会で質問すること自体があたかも重要だと勘違いし、
その質問数が多いということを自慢している政治家もいる。
今でこそ、政治家が自らのことばで答弁することも多くなったが、
質問も答弁も書いてあることを棒読みするような出来レースを
国会でやるのであれば、
それこそ税金の無駄使いである。

ちなみに、私は、衆議院調査局に勤めていたとき、
何度か、当時の野党の先生方の質問案のほうを作成したこともある。


と、いろいろ批判めいたことを述べてきたが、
外から無責任に批判ばかりしたくなかったこともあり、
昨年12月の衆院選で立候補したわけだったのだが…



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