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2019.04.08(Mon):経済・税金問題

東京大学の講義では、
教授らはなるべく政治的発言を
控えているように見受けられます。

もちろん、ご自身のお考えが端々に
もれてしまうことはありますが…

さて、先日
“租税法”以外のとある講義で
消費税、特に10月から導入される
軽減税率についての説明がありました。

大学や教授、
あるいは民間企業といえども、
全国規模のデータを集めたり、
諸外国の制度などを独自に
網羅的かつ詳細に調べることは
なかなかできません。

そこで、官公庁のデータが
活用されることもあります。

だからこそ、
昨今の厚労省の勤労統計不正問題も
その規模故に起きてしまったのであり
この問題が
社会に与えた影響も大きいのでしょう。

さて、この日の講義でも、
財務省主税局がネットで公表している
資料・データが使われていました。

が、全て見覚えあるものばかりです。
というのも、
二十年以上前、私が当時の
大蔵省主税局に在籍していた際、
自身が作成・更新した資料の
最新版が使われていたからです。

私は、嫌な(?)予感がしました。
なぜなら、官公庁の資料は、
内容が正確であったとしても、
恣意的に編纂・作成されており、
例えば、今回の消費税の資料だと
税率引上げの必要性や
軽減税率の不要性を訴えるように
作られているからです。

案の定、教授は、
こうした資料を示しながら
軽減税率のデメリットや
標準税率を抑える効果を強調しつつ
軽減税率導入には消極的である旨
おっしゃっていました。

他方、消費税のもつ逆進性を
緩和させるといったような
軽減税率の長所については、
ほぼ言及がありませんでした。

別に悪いことではないのですが、
他の講義やこの講義でも別の回では
政治的中立性を保とうとする
教授らの姿勢がうかがえていただけに
少し違和感を覚えました。

たしかに、
軽減税率の対象選定は厄介であり、
事業者にはコストがかかり、
そもそも消費税が導入されたのも、
比較的安定的な税収が見込まれ、
(直間比率の見直しというやつ)
かつ中立・簡素な税金だからです。

また、昔の物品税では
“贅沢品”の認識が時代により
変わってしまい、
その見直しが大変だからです。

しかし
“贅沢品”を見直し続けるよりは、
軽減税率の対象となる
生活費需品を決めるほうが容易で
見直す必要も少ないでしょうから
コストはかかるのでしょうが、
消費税のもつ逆進性を緩和するため
やはり軽減税率は必要なのでしょう。

そして、
その軽減税率導入を十月に控え、
ファストフード店や
お寿司などのチェーン店でも
軽減税率が適用される
テイクアウト用商品の開発に
余念がないようです。
(なお、店内の食事は10%)

それにしても、包装などの点で
環境に優しくないテイクアウトの方に
軽減税率が適用されるというのも
おかしな話です。

なお、余談ですが、
世界で消費税(付加価値税)を
最初に導入したのはフランスなど
欧州諸国だとの説明がありましたが、
それより先に、
フランスの旧植民地のアフリカ諸国で
試験的に導入されていました。

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