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新聞の読み方 | 日記
2013.03.27(Wed):憲法・法律問題
一昨日の広島高裁や昨日の同岡山支部の衆院選無効判決、
この結論自体に疑問があるというのではなく、
その判決に関連して、以下のような疑問がわいてきたということ。

まず、国が上告して、最高裁判所でも無効判決が出された場合も、
無効となるのは、各地の高等裁判所で訴訟の対象となった選挙区だけ。

しかし、一票の最大格差2.43というのは、
そもそも千葉4区と高知3区との格差。
実は、この問題の選挙区、
各地の高等裁判所の訴訟の対象とはなっていない。

しかも、一昨日と昨日の無効判決の対象となった
広島1区と同2区、そして岡山2区の格差は、
どれも2倍未満。

問題の根源となっている選挙区の選挙は無効とならず、
訴訟の対象となっている選挙区が、格差がそんなにないのに、
無効となるのは、どういうこと?

この答えは、過去の最高裁判決にある。

1976年の最高裁大法廷判決は、
”定数配分は、相互に有機的に関連し、
 不可分一体をなすと考えられるから、配分規定は、
 単に憲法に違反する不平等を招来している部分のみでなく
 全体として違憲の瑕疵を帯びるものと解すべきである。”
という旨を示している。

でも、この理屈なら、訴訟対象となった選挙区だけではなく、
全国すべての選挙区の選挙を無効とするのが筋だと思う。
訴訟の対象となっていない以上、仕方ないのかもしれないが…

この点からすると、みんなの党の渡辺代表が要求している
解散総選挙というのが一番しっくりくる。
ご本人が、以上のことまで意識されているかは分からないが。


次の疑問は、選挙が無効となった場合、
それまで国会を通った法律や予算などは、どうなるのか?

この問題ついては、定説がないらしい。

ただ、この答えは、従来の最高裁が無効判決ではなく、
事情判決を出してきたことにあると思う。

事情判決というのは、行政事件訴訟法31条を援用した、
公の利益に著しい障害を生ずるのを避けるためになされる判決である。

もし、法律や予算などに何ら影響がなく、
選挙のやり直しということだけであれば、
補選や総選挙の場合と変わらない。

公の利益に著しい障害という以上は、やはり、
法律や予算などもチャラになってしまうことなんだと思う。
だから、3/7付のブログでも、そのようなことを書いた。


更なる疑問は、裁判所は、
”司法に対する軽視”と、上から目線で
国会の怠まんを偉そうに糾弾しているけど、
最高裁自身も、1995年以降、三回にもわたって、
最大格差が3倍未満の場合、合憲という判決をだしてきた。

それが、2011年になって、一人別枠方式という特殊性はあるにせよ、
いきなり格差が2.3倍でも違憲状態だと断じている。
これは、裁判所にも、
自身の判断を棚に上げておいて、責任があるんじゃねー?
というものである。

この点については、実は、2011年の最高裁判決も詫びていて、
(もちろん、明確に詫びているわけではなく、
 実際は ”考慮”という言葉を使っている。)
だからこそ、国会に区割規定是正のための猶予期間を与え、
2009年の総選挙を ”違憲”とせず、”違憲状態”としたのである。


最後の疑問が、一昨日の広島高裁のほうにあった将来効判決の意味。
これは、区割りの是正のために与えられた猶予期間といわれているが、
区割りの是正がなされたとしても、
今年の11月26日が経過しさえすれば無効となるのかがよく分からない。
判決文を素直に読めば、そのようにも読める。

ただ、被告たる国の反論は、
区割りの是正がなされれば無効は回避されることを前提になされており、
これを前提に論説している新聞もある。

しかし、広島高等裁判所も、
そうした反論は、憲法の予定しているところではないとしていること、
そして、区割りの是正を条件に無効が回避されるのであれば、
無効判決のインパクトが軽減されてしまうことを考えれば、
判決文を素直に読んだとおりに、
つまり、是正の有無にかかわらず、
今年の11月26日を経過しさえすれば選挙は無効
と解するのが自然か。


なお、”0増5減”では
立法的措置としては不十分とする判決もあるようだが、
これは立法権の侵害、つまり三権分立に反すると思う。

なぜなら、まず、投票価値の平等の要請からすると、
格差がまったくないのが理想だが、
行政区画や面積、交通事情や地理的状況といった
非人口的要素を考慮できることは、
憲法47条も、最高裁大法廷判決も認めており、
一人二票とならないところまで、
つまり2倍未満の格差までなら認められていると
解されているからである。

そして、”0増5減”なら、
この基準をクリアしているからである。
これで十分かどうかは、
裁判所ではなく、国会が決めること。


自分が立候補した選挙区は、
今回の訴訟の対象とはなっていないものの、
問題となっている衆院選に立候補した身としては、
やはり、今後の最高裁の判決が非常に気になるところである。


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