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ある新聞記事によると、
泣ける話を読んだり、泣ける映画を観たりして
涙を流すことでストレス解消を図る
そうした『涙活』というのが
流行っているらしい。

20年以上も前の話だが、
(泣ける話ではありません)
当時付き合っていた彼女にふられ、別れることになり、
最後のドライブデート。

夜中の12時近く、
彼女の実家近くまで、彼女の車で送った。
恥ずかしながら、
彼女の新車を私が運転するという形の
ドライブデートだった。

場所は埼玉県で、
時間も自宅の東京に戻る終電には間に合いそうもない。


これが最後かと思うと、
泣きたい気持ちになった。
一人で、夜中、東京まで歩いて帰ろう
そう、思った。

しかし、彼女は、
たまたまやって来たタクシーをつかまえ、
私をタクシーに乗るよう促した。

私は少しだけ抵抗したが、
タクシーの運転手さんの手前、
あまりグダグダするのもバツが悪かったので、
結局、タクシーに乗り込んだ。

これが、彼女との最後の別れだった。


「今、手元に7~8千円しかないので、
 この金額で東京方面に
 行けるところまで行ってください。」

結局、自宅までタクシーで戻ることができたのだが、
このとき、車内でずっと
気持ち悪いというか、モヤモヤしたというか、
車酔いとは全く違う異様な気分だった。

当時は、涙を流すことでストレスを解消できる
そんなことも知らなかったので、
わけが分からなかった。

彼女との別れのとき、
一人で歩いて帰りたいと思ったのは、
本能的なものだったのか。

彼女としては、
私のためを想って私をタクシーに乗せた、
私はそう思ったし、
彼女自身もそう思ったに違いない。

しかし、彼女の心のさらに奥では、
自分のせいで、
私を夜中数時間歩かせてしまった、
そう思うのが嫌だったのではないか。
無意識に。

彼女は、私をタクシーに乗せることで、
そうした罪悪感から解放できた。

その代わり、私は、
モヤモヤした気分のまま帰ることに。

本当に、相手のことを想うのであれば、
相手を一人にさせ、泣きたいだけ泣かせ、
スッキリさせる。
そんなシチュエーションを許すことが
本当のやさしさだったんだと思う。

たとえ自分の心が痛んだとしても。


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