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私は、大学の教養課程で
英文和訳の授業をとっています。

先日『ノルウェイの森』の英文の
一ページを学生各々が和訳した後
日本語のものと比較してみる
ということをやりました。

私は『ノルウェイの森』を
英文はおろか日本語でも
読んだことはありませんが、
今回の授業で原文で読めることの
意義を教わった気がしました。

例えば、
“永沢”という登場人物の
外面のきらびやかさと
内面の闇とが対比して
描かれている部分です。

前者の外面が描写されている方の
英文では“wealthy”“diginity”
という単語が、原文では各々
“申し分のない”“風采も良(い)”
となっています。

単語だけ抜き取ると
分かりづらいのですが、
日本語の原文だと、
外面のきらびやかな部分が
語り手の皮肉を交えて
表現されているのですが、
英文からはこのニュアンスが
伝わってこないそうです。

このように、小説に限らず、
単語のニュアンスまで
読み取れるほどの能力をもって
原文を読むことができれば
これに越したことはないのでしょう。

村上春樹氏がなかなか
ノーベル賞をとれない理由も、
昨今の事情は別のところにありますが
日本語を理解しない西洋人が
審査しているからかもしれません。

ちなみに
“(he) had graduated from Tokyo
and gone on medical school”を
みなさんならどのように和訳しますか?

私は
“東大を卒業し、
そのまま医学校に通い続け”
と訳してしまいましたが、
『ノルウェイの森』では
“東大の医学部を出て”
とだけなっています。

これは、外国人にも理解しやすいように
米国などの大学院システムにならって
英訳されたからそうなんです。


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